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September 23, 2005

無題

今日はライブ、新宿に18時入り。

18時20分前に新宿に着いた。地下街から外に出るとどしゃぶり。リュックから折りたたみ傘を取り出し、ライブハウスに向かう途中、ふと立ち止まった。

「楽器を持ってないではないか!」

何をやってるんだ!どっかに置き忘れたか? だとすると、非常にマズイ。いや、うちで練習していたが、ケースにしまった覚えがない。そのまま持って来ていないはずだ。バカだと思っていたが、ライブの日に楽器かついで来るのを忘れるとは・・・すでに新宿駅からは随分離れたとこまで来ている。新宿駅まで戻って京王線に乗ると時間がかかる。ここからだと、うち(桜上水、その昔住んでたところ)までタクシーをすっ飛ばしてUターンするのが一番早い。リハーサルには間に合わないが、本番には間に合うはず・・・そうと決まればタクシーを捕まえよう!タクシーの中からリーダーに連絡しないと・・・

少し歩くとタクシーが4台停車していた。手を挙げ、近くにいる人に「どれに乗ったらいいですか?」と聞いた。「どれでもいいですよ」と言うので、女性運転手の車両に乗ることにした。教えてくれた人が付いてきて女性運転手に告げる。「桜上水まで、この人、片柳さんのお友達だから」そして俺にはこう言った。「片柳さんは、・・・さんのお友達でここらへんの運転手はみんな知ってるんだよ」

オレは「そうなんですか」と言いながら、横目で、5人ほど顔見知りが立っていることを発見し、話しかけた。

「ねえねえ、今日はライブやるからよかったら見に来て!1500円で安いよ」 
「え、今日?」 「うん」 「ライブ?」 「いいね!」
「ただし、ドリンク代は別だけど」
と俺が付け加えると、目の前にいたオネエチャンがずっこける。
「なんだやっぱりね、そんなに安くないじゃないの!」

みんなと話していたら、どうしたことか、いつの間にか停車していたタクシーはいない。しょうがない、そこでタクシーを待つことにした。大通りに面していないが、タクシーはすぐに来そうな気がしたんだ。

携帯に電話がかかってきた。リーダーだ。出ると楽器を忘れたことを話さなければならない。そんな話はみんなに聞かせられん!思わずマナーモードにした。

少しすると「救護」と記したタクシーが止まる。客だろう、車内からおじいさんが出て来た。空車になったかと近づいたら、その車は実はタクシーではなかった。その後通った何台かは空車でなかった。

轟音が近づいてくると思ったら暴走タクシーだ。暴走タクシーはすごい勢いで目の前を通過し、カーブに突っ込んで行った。視界から消えても、その轟音はますます活発になる。
ぶーん、ぶーん、ぶ、ぶ、ぶ、ぶ、ぶーーーん!

「あんなのには乗れないよね」などとみんなで話す。
刻々と時間が過ぎて行くが、タクシーは捕まらない。ヤバイ。
「オレ、やっぱり大通りに出るよ」 「あら、そう?」 「頑張ってね」
みんなは近くのファミレスに向かって行った。

大通りが交差するところに出てみたが、どうもそのポイントはよろしくない。タクシーを見つけても自分のところに来る直前で左折してしまう。少し右に歩いた方がよさそうだ。50メートルほど進むとスゴい音が響いてきた。「何だ?」 振り返ると、さきほどの交差点、もう1本の大通りを津波が横切っている。高さは10メートル位だろうか、す、すさまじい!その余波がこちらの通りまで襲ってくるであろう、と必死になって商店街の死角に身を潜めた。

その瞬間、大地を引き裂くような音・・・「あー、耳がつぶれるーっ」マジで叫んだ。
前を見ると、遠くからとてつもなく巨大な津波が押し寄せてくる。

「あーあ、こりゃ、ダメだ」

以外なほど、あっさりと観念したら、目が覚めた朝の5時。

Posted by morio at September 23, 2005 06:16 AM